8月4日(仙水小屋~仙水峠~駒津峰~甲斐駒ヶ岳~駒津峰~双児山~北沢峠~大滝ノ頭~小仙丈岳~仙丈避難小屋(馬ノ背ヒュッテへ水取りのため往復)) 天候:くもり
<縦走3日目甲斐駒ヶ岳往復、北沢峠より仙丈岳へと迫る>

早くも3時に起き、α米のわさび茶漬で朝食とした。風が強い。4:15頃、早くも小屋前は人で一杯だった。まだ夜明け前なのに。水を汲んでトイレに行き、出発の準備をした。4:30頃には甲斐駒に向け、仙水峠方面に続々と人が上がって行った。私もテントを畳んで出発した。テント組は2人除いてまだ動いていなかった。歩き辛い岩礫帯を行ったが、そこで夜が明けていた。5時過ぎに仙水峠に戻った。峠には18人もいたが、付近は風が強く、更に目指す甲斐駒の方は完全にガスっていた。しかし鳳凰三山の方は望めた。

5:10位に出発、樹林帯の急坂となるが小刻みにジグザグとなっている登路のためか比較的登りやすい。途中後ろから10数人もの若い集団が登ってきて、彼らを先に行かせた。登ってるうちにハイマツ帯となり、「(駒津峰の)頂上は近い」と思った。登りも緩やかになり、岩礫帯となった。6:30過ぎにようやく駒津峰の頂上に着いた。頂上には15人程いたが、ガスっていて時折弱くなるもの風もあった。甲斐駒は昨年同様またしてもガスになるのだろうか。昨年北沢峠からここまで登って来た時、今回登って来た仙水峠からのコースが一目見ただけで急に見えた。それでも思った程きつくはないと思った。

6:50に出発し、岩稜をたどり、下りとなった。岩場を慎重にたどって行く。ヤセ尾根で両側とも険しかったりもしたが、岩が壁の様でもあった。下り切った所に集団がいた。このコースは狭い割に多くの登山者が往来するものだ。少し行くと六万石で直登コースとの分岐となり、ここは右に進んだ。更に下って行き、急な下りもあるので本当に登りコースなのかと思える位だ。下り切るとあとは登りとなるが、所々岩が尖っているので転ばぬ様登って行く。右には摩利支天岩塔群が見えるが、左に折れて更に登っていった。

8:10にようやく甲斐駒ヶ岳の頂上に着いた。昨年同様あいにくガスっており、しかも昨年よりガスが濃い様な。又、昨年は北沢峠にザックをデポしてサブザックでの往復だったが、今回は何とここまでザックを背負ったまま来た。「ザック挙げ」をやるためだけであると言えばそれまでだが。写真を年配の女性にお願いしてもらったが、なかなかシャッターが下りなかった。ファインダーの中心の印を被写体に合わせていなかったためだろう。別の年配の男性にお願いしてもらい、やっとうまく撮れた。とうとう甲斐駒でも「ザック挙げ」をやってしまった。「全山縦走で全山ザック挙げ」だと思った。頂上にはお宮があり、10人程いた。

8:30過ぎに出発、岩場の下りを注意して行った。途中ある男性と会話になり、私はこれまで鳳凰三山・早川尾根を縦走してきてこれから南の方に縦走すると話した。すると彼は「聖岳ですか」と尋ねてきて、私は「はい、光まで」と答えた。急坂の登り返しがきつい所だ。登り切ると直登コースとの分岐となり、それを過ぎると岩稜の尾根だ。更に登山者が増え、通行に手間取る所だ。私が止まっていた所、先程の男性が追い着き、「缶ビール代にでも」とちり紙に包まれたお札を差し出してくれた。長い縦走に対するねぎらいの餞別といった所か。

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9:30過ぎに駒津峰に戻ったが、頂上には30人近くいた。中には高校山岳部らしいパーティもあった。小休止してから出発、下り切って緩やかな尾根道となった所で9人パーティが向かって来た。この辺りはガスがかかっていなかった。双児山への登り返しも急でなかなか辛い所だ。10:30前に双児山に着いた。頂上に6人いたが、その内の1人が仙水峠から駒津峰への登りを「見ただけできついよ」と言っていた。感じた事が昨年の自分と同じみたいだ。早く北沢峠に着きたい所だ。10:30過ぎには出発し、北沢峠への樹林帯の下りを行った。何度も山腹を折り返しながら下って行く。前方に光が差して小屋が見える雰囲気だったがなかなか着かない。北沢峠から登って来る人もいた。高度計で何度も確かめたが、高度が下がるのが遅く感じた。最後に緩やかになり、長衛荘のそばを通った。

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11:45頃にやっと北沢峠に着いた。昨年と比べて1時間以上ここに着くのが遅かった。というのも昨年は北沢峠から甲斐駒までザックデポでの往復だったからである。早くて当然であろう。峠から広河原行きのバスは13:15発で、11:15発は人数が少ないと出ないという。バス停のそばには切符販売所があり、林道を挟んで反対側(仙丈岳側)には公衆トイレもあった。さすがに水洗にはなっていなかったが。バスは山梨県側・長野県側共に出ており、ここは縦走中で最も交通的に下界から近い所か。昼飯はまたまたフランスパンで、チョコクリームを付けて食べた。そうしているうちに人が大勢になってきた。中には帰りの温泉の話をしている中年女性パーティーもあった。バス発車時刻が近づいてきた所か。私もそろそろ出発しないと小屋への到着が遅れてしまい、翌日の行動に響いてしまう。

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12:40に出発、日は照っていた。まず急なジグザグの道をぐんぐん登って行く。仙丈岳から次々と登山者が下りてきて、登って行くうちに1合目を通過した。下りてきた人が「これから天気が良くなるそうだ」と言っていた。本当にそうなってもらいたい所だ。更に登っていくと2合目になり、まだ登山者が下りて来ていた。きつい登りはまだまだ続いた。13:40頃から15分程小休止した。その間に1人の男性が登って来て、更に中年女性3人も登って来て私を追い抜かした。休憩地点より僅かに登ると3合目で、まだ下ってくる登山者も多い。更に登って行くと4合目であった。

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登って行くうちに緩やかになり、14:30過ぎにようやく大滝ノ頭に着いた。ここは休憩に丁度良く、右に馬ノ背ヒュッテへの道を分ける。私を抜かした中年女性3人組もここで休んでいる所だった。彼女らはこれから馬ノ背ヒュッテへ向かうと言い、出発して馬ノ背ヒュッテ方面へ向かった。木々の間から早川尾根の浅夜峰と栗沢山が望めた。甲斐駒ヶ岳は相変わらずガスがかかっていたが、花崗岩の山頂部の下部が少し覗かせていた。何と私の腕時計のゴムバンドにひびが入り、切れそうになっていた。中年夫婦が下って来て、「あと何時間ですか」と私に尋ねてきて、私は「1時間半位でしょう」と答えると、彼らは「私の足なら2時間だな」と言った。更に私は彼らにこの縦走のこれまでの道程について説明し、「この足に頑張ってもらわないと」と言った。私が出発する頃に若い男性3人が来て、やはり馬ノ背ヒュッテ方面へと進んで行った。

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15時前に出発、更に針葉樹林帯を登って行った。やがて急坂を登り切ると樹林限界に出てハイマツ帯となり、前方に小仙丈岳が迫っていた。更に文字通り鋸の刃の様な鋸岳と鳳凰三山が望め、尾根の少し下にへばり付いている様な馬ノ背ヒュッテも望めた。登りも緩やかになり、目標を見ながらゆったり進めるので気持ち良くなった。そうしているうちに16時前に小仙丈岳に着いた。休憩しながらラジオをかけた。天気は梅雨前線が新潟から東北にかけて停滞し、新潟では記録的な豪雨があったとの事で、関東・甲信越地方も天気が不安定で夜から朝にかけて雨が降るかもしれないとの事であった。今年も昨年同様夏の天気がおかしいが、南アルプスは北アルプスや八ヶ岳より南に位置するため、これらの山域より前線の影響を受けにくいのが救いか。一瞬北岳にかかったガスが晴れて望めた。しかし前方の仙丈岳はガスッていた。翌日晴れるといいが。腕時計のゴムバンドが切れてきたので、何と絆創膏で補修した。

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16:20頃出発、風があり、寒くなってきた。小仙丈岳の岩峰の急な下りを下り切ると緩やかな尾根道となった。時折ガスが横から吹き付けられた。そして仙丈岳への急な登りとなった。岩礫帯のジグザグな道で、小屋への分岐はまだかと思った。それでも一登りで小屋への巻き道の筋が見えた。登って行くとようやく分岐に着き、仙丈避難小屋へ向かう山腹を巻く道に入った。最後に急な下りと共に子供の声が聞こえた。分岐より7・8分、17時頃にようやく仙丈避難小屋に着いた。間もなくして空を見上げると筋雲が現れ、一気に広く晴れ渡った。その瞬間テントサイトにいた人達が騒いだ。「あした晴れるといいですね」と私に言った人もいた。小屋のすぐ下にあった湧き水を覗いてみると、何と涸れていた。更に下の方に行っても水の気配はなし。当てにしていた水がないのに愕然とした。そして一瞬「水取りのために1日遅れるのか」とさえ思った。

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登って来た男性が「上は(水が)無いといっていたので下から持ってきた」と言っていた。更に近くにいた若い男性が「馬ノ背ヒュッテに(水取りに)行ってくる」と言って向かって行った。私はガイドブックを開き、地図で確認した所、ここから馬ノ背ヒュッテまで約1.5km程で、思ったより遠くない事がわかった。カロリーメイトをかじって態勢を整え、17:30過ぎに「緊急出動」した。サブザックにすべての水筒を背負い、少し下って緩やかな馬ノ背の尾根を駆け抜けた。15分程で分岐に着くと発電機のエンジンの音が聞こえてきた。ヒュッテへの急坂を下って行く。ヒュッテは近い!水取りに行った若い男性が「すぐそこです」と言ったら、私は「北海道の日高では水取り1時間は当たり前ですから」と「その位大丈夫だ」と思って言った。17:50過ぎにやっと2階建ての馬ノ背ヒュッテに着いた。小屋の横の方に蛇口付の水場があった。「おお、命の水だ!」と思い、すべての水筒に水を満たす一方私も満足いくまで飲んだ。

18時過ぎに取り急ぎ戻り始めた。急坂を一気に登って尾根に出た。途中ガスってきた。早く戻りたい所だ。18:40頃にようやく戻り、急いでその場でテントを設営し、夕食の準備をした。ただでさえ1つの山を往復した後にまた1つの山に登ったのに、更に水取りという思わぬアルバイトがあった。疲れた体に鞭打ってしまったが、水がなければどうしようもない訳で、「水がない」といつまでも手をこまねいているよりはずっとましだと思った。中には他の人に水をもらったという大学生らしいパーティーもあったが、彼らは仙丈岳に登った後北沢峠に下るのだろう。私の場合これから次の水場までが長い。かといって野呂川越から両俣小屋まで水取りに行くのも今回より大きなアルバイトとなり、予定が狂ってしまう。だからここで無理してでも水取りに行ったのだった。晩飯は炒飯と寒天海藻サラダとした。甲斐駒からの下りの時にいただいたちり紙に包まれたお札を調べた所、2000円も入っていた。そして20:30頃床についた。

 

コースタイム
時間 地点 コ メ ン ト 高度計
4:34出発
仙水小屋 続々と登山者が上がって行った。
5:03到着
仙水峠 峠には18人もいたが風強く甲斐駒にはガス。樹林帯のジグザグの急坂。10数人もの若者の集団をやり過ごした。
5:09出発
6:34到着
駒津峰 頂上には15人程。しかしガス・風。何とザックを背負ったまま甲斐駒を往復する。 計測2895m→校正2750m
6:50出発
8:10到着
甲斐駒ヶ岳 今回もあいにくガスっていた。「ザック挙げ」!途中「缶ビール代にでも」とちり紙に包んであるお札を差し出してくれた男性がいた。
8:33出発
9:36到着 駒津峰 頂上には30人近くいた。下るとガスがなくなる。 計測2710m→校正2750m
9:46出発
10:25到着 双児山 頂上には6人。樹林帯の下りとなる。
10:32出発
11:46到着 北沢峠 昼食、次のバスは13:15発で人が大勢になってきた。仙丈岳方面から登山者が続々と下ってきた。 計測2090m
12:40出発
13:41から 休憩 男性1人の後中年女性3人が先に行った。
13:57まで
14:34到着 大滝ノ頭 栗沢山と浅夜峰が望めた。中年女性3人が休んでいたがやがて馬ノ背ヒュッテ方面へと向かった。後に来た若い男性3人も馬ノ背ヒュッテ方面へと。樹林限界に出ると鳳凰三山と鋸岳が望めた。更に馬ノ背ヒュッテも。 計測2595m
14:56出発
15:53到着 小仙丈岳 ラジオをかけて天気予報を聞く。腕時計のゴムバンドを絆創膏で補修した。
16:21出発
16:53通過 分岐 ここから仙丈避難小屋への巻き道を進む
17:01到着 仙丈避難小屋 空にまっすぐな筋雲が現れて一気に晴れ渡った。しかし当てにしていた水場が涸れていた。結局馬ノ背ヒュッテまで水取りに行く事に。ザックを置いて行った。
17:32出発
17:48通過 分岐 ここから尾根を外れ下りに入る。
17:53到着
馬ノ背ヒュッテ 先に来ていた男性は戻った。蛇口付きの水場があり水筒をすべて満タンにして自らも飲んだ。
18:04出発
18:12通過 分岐
18:39到着 仙丈避難小屋 急いでテントを張って夕食とした